政府に歯止めのない調査権限を与え、基地周辺などの住民を監視する土地利用規制法をめぐり、市民団体は2月22日、国会内で内閣府や防衛省にヒアリングを行い、日本共産党、立憲民主党、社民党、参院会派「沖縄の風」に同法の廃止を要請しました。主催は「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」など3団体。
同法は、自衛隊・米軍基地などの周囲約1キロと国境離島を「注視区域」や「特別注視区域」に指定。利用状況を調査し、「機能阻害行為」があれば利用中止を命令・勧告でき、従わなければ刑事罰が科されます。
「機能阻害行為」を具体的に例示するよう市民が求めたのに対し、内閣府担当者は「検討中で答えられない」と回答。国会審議で同行為として挙げた「継続的な監視・盗聴」について、日本共産党の本村伸子衆院議員は「監視」の判断基準を質問するも、担当者は「決まっていない」として答えませんでした。
注視区域と特別注視区域の指定基準やパブリックコメントの実施時期についても「検討中」を理由に回答しませんでした。
馬奈木厳太郎弁護士は「制定から半年以上たっても、法律がどういう事態を想定して、何に対応するのか説明できないのは話にならない」と批判。沖縄県名護市の反戦地主の女性(74)は「私たちは命を守るために基地を監視している。機能阻害行為が何か分からないのは怖い」と語気を強めました。
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は「廃案という旗印を掲げて全力で頑張る」と述べました。(しんぶん赤旗 2022年2月23日)