菅自公政権が今週末にも衆院内閣委員会での通過を狙う土地利用規制法案を「廃案へ」と5月25日、国会内で緊急集会がありました。
「表現の自由と開かれた情報のためのNGO連合」の海渡雄一弁護士が法案の危険性について報告しました。
法案は基地や原発などの「重要施設」周辺や国境離島などの土地・建物の所有者や利用者とその関係者に利用状況の情報提供を義務づけています。また重要施設への「機能阻害」の恐れがあれば、処罰されたり、首相が買い取りを求めることができるものとなっています。
海渡氏は「違法行為でなくても『おそれ』というだけで、行動が規制できる。住民の勤務先や友人関係など個人情報の収集が行われ、これまで公安警察が秘密に違法にやってきたことに法的権限が与えられる可能性がある」と強調。「首相が買い取りできるというのは事実上の土地収用。不服申し立ての手段も認められていない」とのべました。
また今月11日の衆院本会議で、この法案を必要とする根拠(立法事実)を問われた小此木八郎国家公安委員長が「答弁は適当でない」と答えられなかったことを紹介。内閣委員会の審議では、水源地などの生活インフラまで対象にするよう求める議員がいたことにふれ、「軍事施設の撮影やスケッチを禁じた、戦前の『要塞(ようさい)地帯法』の拡大版だ」と指摘しました。
集会では、オンラインで大間原発(青森県)に反対する北海道函館市、沖縄県名護市と石垣島の住民が発言。陸上自衛隊の部隊配備予定地周辺で暮らす石垣島の花谷史郎さんは「法案は石垣や宮古島を想定しているのではないかと思い危機感をもっている」と発言しました。
集会には、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員や立憲民主党、沖縄の風の国会議員が参加し、あいさつしました。(しんぶん赤旗 2021年5月26日)