赤嶺氏に資料提出
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う設計変更申請をめぐり、承認の可否を判断するための沖縄県の手続きが完了していないにもかかわらず、沖縄防衛局が実施設計業務を委託していたことが分かりました。防衛省がこのほど、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に関連文書を提出しました。
防衛省が提出したのは「設計等技術業務委託契約書」と「設計等技術業務委託特記仕様書(シュワブ〈R2〉土木設計)。契約の履行期間は今年8月19日~来年3月31日で、委託料は8億5800万円にのぼります。
設計変更申請には地盤改良を行う区域の面積は記されていませんでしたが、仕様書には(1)サンドコンパクションパイル方式による改良が7ヘクタール(2)サンドドレーン工法が55ヘクタール―と明記。埋め立て区域160ヘクタールのうち、4割以上となる66ヘクタールで地盤改良が行われることになります。また、地盤改良後に起こりうる不同沈下(不均一な地盤沈下)のシミュレーションを6カ所で行うことも記されています。
埋め立て予定区域北側(大浦湾側)に広がる軟弱地盤の改良工事のため、防衛局は今年4月、沖縄県に設計変更申請を提出。県は処理手続きを行っていますが、完了は年明けになる見通しです。
手続きも終わっていない段階での設計業務委託について、防衛省担当者は、「速やかに変更後の工事に着手するため」と表明。「(承認前に)設計委託をしてはいけないわけではない」と開き直りました。
赤嶺氏は、「県が承認しなければ、設計業務の委託は税金のムダ遣いになる」と指摘。県の行政権限や、「新基地ノー」の圧倒的な民意を無視する「暴走だ」と批判しました。(しんぶん赤旗 2020年10月9日)