“新基地2.5兆円をコロナ対策に”
共産7議席・「オール沖縄」勝利へ
29日の告示が迫った沖縄県議選(6月7日投票)にむけて「沖縄県議選 Fight沖縄!Zoomでゆんたく」と題するZoom会議が26日開かれ、動画投稿サイトユーチューブで配信されました。日本共産党の小池晃書記局長が司会を務め、赤嶺政賢衆院議員、伊波洋一参院議員(参院会派「沖縄の風」)、写真家の嬉野(うれしの)京子さん、ミュージシャンのTOYOさん、全労連副議長・長尾ゆりさん、ジャーナリストの布施祐仁さんが語りあいました。
焦点は経済と雇用
県議選の意義と焦点について、赤嶺議員が新型コロナウイルス感染拡大から命と暮らし、経済と雇用をどう守るかが大きな課題だと強調。「医療体制の充実が経済回復面でも大事になっている」と語り、沖縄県がPCR検査センターを県内5カ所に設置したことや県独自の支援策などを紹介しました。また、安倍政権は自民・公明などで県議会過半数を確保して「オール沖縄」の玉城デニー県政を崩して県民を分断し、辺野古新基地建設を進める思惑だがそれは許さないと強調。「うちなーんちゅ、うしぇーてぃないびらんどー(沖縄の人をないがしろにしてはいけませんよ)」との故・翁長雄志前知事の命がけの訴えに応えるため勝利に全力を尽くすと表明しました。
与党過半数維持を
伊波議員は、「日本共産党の7予定候補全員が勝利することを含めてデニー知事を支えるオール沖縄の全員勝利で与党過半数維持を」と訴えました。
布施さんは、「あと一歩のところで新基地建設をやめさせることができる。民意こそが政治を動かす。日米が相手でも変えていく力があるということを示してきたのが沖縄の歴史。県議選も注目している」と述べました。
長尾さんは「コロナで暮らしが壊れそうな時だからこそ、最低賃金の引き上げや、子ども医療費無料化などデニー県政が進めてきた政策が大事。それにコロナ対策を加えていく。それを支える県議会であってほしい」と語りました。
安倍政権がコロナ禍の最中に火事場泥棒的に辺野古新基地の設計変更申請をしたことについて、小池氏が「新基地はにじてぃん、にじららん(もう我慢できない)という思いではないか」と問いかけました。
TOYOさんは「基地のたらいまわしでは沖縄の負担が変わらない。不要不急な基地建設に2・5兆円もかける。それの無駄をなくして一人ひとりの幸せのためにまわしてほしい」と訴えました。
伊波議員は、米軍普天間基地の危険性を何十年も放置するというのが新基地建設だと指摘。「辺野古をやめることが一番早い普天間問題の解決策だ。それを突き付けていきたい」と述べました。
赤嶺議員は「辺野古が破綻していることを日本政府がアメリカ政府にモノを申せば終わる。オール沖縄が勝利して、それが全国の野党共闘を前進させ野党連合政権をつくり、辺野古ノーという政府をつくる展望のなかに県議選も位置づけられる」と強調。新基地建設費用2・5兆円、県民1人あたり175万円をコロナ対策にという訴えが反響を呼び、砂に水がしみこむように広がっていると語りました。
県民の不安共有し
相次ぐ米軍の事件・事故が話題に。つらかったのが2016年の元米海兵隊員による女性殺害事件だと語ったTOYOさんは「沖縄県民が抱えている不安や恐怖を共有してほしい。多くの人が共感して声をあげてくれれば変わると思う」と訴えました。
1965年に宜野座村で米軍車両が6歳の女の子をひき殺した事故。その時の写真を撮影した嬉野さん。「沖縄を本土に理解してもらうため命にかえても撮りたかった」と語り、いまも繰り返される米軍の事件について「日本政府がちゃんとアメリカにいってくれないと解決しない問題」と訴えました。
最後に県議選勝利に向けてのメッセージが語られ、布施さんは、「新基地にすすんで賛成の人はいない。反対しても政府が決めたら造られてしまうという無力感がある」と述べ、その要因が反対の民意を示しても国政に反映されないことにあるとして、「問われているのは日本全体。本土が声をあげることが大事だ」と語りました。
嬉野さんは「沖縄在住の知り合いに声かけを」と呼びかけ、長尾さんは2018年知事選で「オール沖縄底力」としてデニー知事の勝利を報じた地元紙の号外を掲げ、「今度の選挙でオール沖縄の底力と民主主義の底力と国民の力を示す結果を」と力を込めました。(しんぶん赤旗 2020年5月27日)