野党の「中東合同調査会」は1月22日、自衛隊中東派遣問題に関する政府へのヒアリングを国会内で行い、米軍に情報提供することで自衛隊が軍事衝突に巻き込まれる危険性を指摘しました。
防衛省は、自衛隊による情報提供は一般的な情報にとどまるとする一方、武力行使を支援する偵察行動を伴うなどした場合には「他国による武力行使と一体と判断される可能性がある」と答弁しました。野党側は、中東地域で行う自衛隊の情報収集も偵察と変わらないとし、自衛隊が提供した情報が米軍の軍事行動・実力行使に使われない担保はあるのかと追及しました。
防衛省は「一般に軍事行動を行う際には、さまざまな情報を踏まえて実施される」と、米軍による使用の可能性を否定しませんでした。
国民民主党の渡辺周元防衛副大臣は、日本の情報収集能力が脅威だと見られ「まず目と耳をふさいでしまえと哨戒機や護衛艦が攻撃されたらどう守るのか」と批判。防衛省は「自衛隊が紛争に巻き込まれる恐れは現時点ではない」と楽観的な見通しを述べるにとどめました。
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は、米国がイラン司令官殺害に関して、サウジアラビアの石油施設に対する攻撃も自衛権行使の理由に挙げていることを指摘。「こうした攻撃も自らへの攻撃だとみなして自衛権を行使することが正当化されるのか」と批判し、日本政府の態度を問いました。外務省は「事案の当事者ではない」と答弁を避けました。(しんぶん赤旗 2020年1月23日)