中東の緊張が高まる中、野党は1月16日、合同ヒアリングを国会内で開き、米・イランで軍事的応酬が行われる中東地域に、自衛隊を派遣する閣議決定を撤回するよう求めました。
派遣の根拠である防衛省設置法や自衛隊法に、自衛隊が収集した情報を米国に提供する根拠があるのかと野党議員が追及すると、防衛省の担当者は答えられませんでした。野党議員からは「基本的な根拠も確認せず閣議決定したのか」などと批判の声が上がりました。
また、野党議員は自衛隊から提供された情報をもとに米国が軍事行動を起こした場合、日本国憲法が禁じる他国による武力行使との一体化につながる危険性があると指摘。「なし崩し的に一体化する」などの懸念が述べられました。防衛省の担当者は「緊張は高まっているが、取り組みを変える必要はない」と強弁しました。
防衛省設置法上の「調査・研究」を根拠に自衛隊を派遣することについて、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は、自衛隊の任務は自衛隊法に規定され、自衛隊の学校や病院などは「調査・研究」の条文がある一方、情報収集活動はないと指摘。「組織法である防衛省設置法で派遣するのは論外だ。自衛隊の安全や憲法を超える行動に発展する危険も含めて一切の議論を無視するのは乱暴だ」と批判しました。(しんぶん赤旗 2020年1月17日)