オバマ前米政権の諮問機関「戦略態勢委員会」が在米日本大使館関係者から意見聴取した際、秋葉剛男公使(当時)が「沖縄への核貯蔵庫建設」について、「説得力がある」と応じていた問題で、詳細なやりとりが記された手書きのメモ(2009年2月25日付)が3月23日、明らかになりました。
米科学者団体「憂慮する科学者同盟」のグレゴリー・カラーキー氏が同委員会の情報を管理している「米平和研究所」から正式な開示を受け、沖縄選出の野党国会議員で構成される「うりずんの会」との懇談で明らかにしました。
意見聴取の参加者によるとみられる手書きメモによると、シュレジンジャー副議長(元国防長官)が核兵器の地上配備について、「政策を調整するつもりはあるか」と聞いたのに対して、秋葉氏は「ある一部が、(非核三原則の)第三原則(核を持ち込ませず)見直しについて話しているが、政治的には現実的ではない」と回答。シュレジンジャー氏は続けて、「兵器ぬきの沖縄への核貯蔵庫については?」と聞きました。これに対して秋葉氏が「私には説得力があるように聞こえる」と回答したとしています。
河野太郎外相は20日の衆院安保委員会で、日本共産党の赤嶺政賢議員に対して、「秋葉氏はそのような発言はしていない」と答弁しましたが、事実上の公文書が明らかになったことで、整合性が問われます。
カラーキー氏は、「核兵器抜きなら非核三原則に反しないだろうという巧妙な発言だ。しかし、誰が考えても将来、核を配備するために貯蔵庫はつくられる」と指摘しました。(しんぶん赤旗 2018年3月24日)