米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に隣接する市立普天間第二小学校の校庭に12月13日午前10時過ぎ、同基地所属のCH53E大型ヘリの窓が落下しました。落下した衝撃ではね上がった小石が4年生の男子児童1人に当たり、左腕に擦り傷を負いました。窓は1メートル四方の窓枠ごと落下し、アクリル製の破片が飛び散りました。宜野湾市役所前では緊急抗議集会が開かれ、300人以上が「ただちに訓練を中止せよ」「海兵隊は撤退を」と怒りの声を上げました。
米海兵隊の第3海兵遠征軍は同日午後のプレスリリースで「CH53の窓が小学校に落下した」と発表。基地内の駐機場では、事故機とみられる機体の窓が外れた部分にシートがかぶせられました。
学校からの報告によると、事故当時は10メートルほど離れた場所で2年生と4年生の約60人が体育の授業を受けており「ドーンという衝撃音と砂ぼこりが上がった」といいます。
学校側は安全のため「教室から出ないように」と児童に指示し、午後には全児童を下校させました。市の知念春美教育長は「安全・安心でなければならない学校現場であってはならない事故が起こり、憤りを感じている」とコメントしました。
現場に入った翁長雄志知事は、「今日は名護市でのオスプレイ墜落から1年だ。原因究明もしないまま飛行を続けてきたことの積み重ねで、今回の事故が起こった。何十回、何百回抗議しても変わらない」と抗議しました。
同じく現場に駆けつけた日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は「危険きわまりない普天間基地の姿が如実に示されている。住民に被害と不安を与えてきた米軍には、もはや基地を運用する資格はない。普天間基地は無条件で閉鎖・撤去すべきだ」と強調しました。
副知事 〝全米軍機総点検と飛行中止を〟
富川盛武副知事は同日、米海兵隊太平洋基地司令官のポール・J・ロック准将、ジュエル・エレンライク在沖米国総領事を県庁に呼んで抗議し、全米軍機の緊急総点検の実施とその間の米軍機の飛行中止を求めました。米側からの即答はありませんでした。
宜野湾市では7日、普天間基地の近くにある緑ケ丘保育園で、同じCH53Eの部品が見つかっています。同保育園の神谷武宏園長は「1週間もたたないうちに今回の事故が起き、とにかく驚いた。米軍の危機管理のなさを感じる。怒りでいっぱいだ」と憤りをあらわにしました。
さらに10月11日には、同型機が東村高江の民間牧草地で炎上・大破しています。(しんぶん赤旗 2017年12月14日)