沖縄県宜野湾市の保育園に米軍ヘリから落下したと思われる物体が見つかった事故。保育園は米軍普天間基地から300メートルしか離れていませんでした。「子どもの命にかかわる問題。この事故を許してはいけない」。保育園の神谷武宏園長が12月11日、調査に保育園を訪れた日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に語りました。
「あの日も朝からずっと飛んでいました」 神谷園長がそう語ったとたん、地鳴りのような重低音があたりを覆い、頭上を米軍CH53Eヘリ2機が飛んでいきました。落下物を落としたと思われるヘリと同型機です。
神谷園長は「あれ、まさにあれです! バカにしています」。騒音に負けまいと声を張りあげて言いました。
物体は屋根の庇(ひさし)の隅っこに落ちていました。数十センチずれると、園庭を直撃するところでした。
神谷園長は「ちょうど子どもたちを園庭に出して遊ばせようとする時。少し時間がずれていたらどうなっていたか」。
落下物は、もわっとする熱気と、油が焼け焦げた異臭がしたといいます。
中傷の電話も
米軍が落下を認めない中、「自作自演だ」などと保育園を中傷する電話がかかり、右翼団体の街宣車が来る事態になっています。
神谷園長は「園の先生方も参ってしまう」と訴えます。
赤嶺議員は「こんなことが起きて、声も上げられなくなることが恐ろしい。私も1歳の孫がいる。自分の孫にこんなことが起こると思うと、ぞっとする」と応じました。
神谷園長は「どこの子も一緒。みんなでこの間題に向き合って、この状況を許しちゃいけない。米軍機を飛ばせてはいけない」と応じました。
嘆願書を準備
赤嶺議員が父母会の人たちに会うと、ちょうど嘆願書をつくって沖縄県や宜野湾市、沖縄防衛局、米軍に申し入れる準備をしているところでした。
嘆願書は「保育園は(普天間基地の)滑走路の延長上で、子どもたちが『ひこうきのおなかが見える』というように、真上を米軍機が飛び交うのが現状です」と訴えています。普天間基地の運用停止を求め、普天間基地に離発着する米軍ヘリの保育園上空の飛行禁止を求めています。
父母会役員の女性(46)は「事故の日もその後も何事もないかのように米軍ヘリが飛んでいる。日本政府も米軍も、こんな状況をなぜ許しているのか。子どもを守るために私たちが声を上げないといけない」と思いを語ります。
父母会の取り組みに関わっている「オール沖縄」の玉城健一郎宜野湾市議は「米軍に物体の落下を認めさせないと。彼らは人が死ぬまで認めないのか」と決意を語りました。
赤嶺議員も「米軍に認めさせないと、今後同じことが起きても〝知らぬ存ぜぬ〟をされてしまう。沖縄県が、騒音測定器でとらえた米軍機の画像などをもとに事実を明らかにしようと頑張っている。私たちも国会などで日米両政府に事実関係の究明を求めていく。ともに頑張りましょう」と応じていました。(しんぶん赤旗 2017年12月12日)