沖縄戦で多数の犠牲者が出た影響で前期高齢者(65~74歳)の割合が低いことから、前期高齢者交付金が少なく、沖縄県の市町村国保財政が悪化している問題で、日本共産党県議団は11月21日、国会を訪れ、塩崎恭久厚生労働相あてに市町村国保への財政支援を要請しました。
県議2人と那覇市議団(5人)、浦添市議団(2人)・新人市議候補、伊計裕子西原町議が申し入れ、赤嶺政賢、真島省三両衆院議員が同席しました。厚労省保険局の担当者が応対しました。
沖縄県の2014年度の前期高齢者加入割合は19・5%と、全国平均の36・7%を大きく下回っています。市町村国保に支払われる前期高齢者交付金は前期高齢者の加入割合を基に算出されるため、県への交付金は著しく低く、国保財政の赤字につながっています。
県議団は、財政赤字の影響から那覇市で救急車の導入が延期されたり、浦添市で国保税が引き上げられたりするなど市民への負担が広がっていることを指摘しました。全国平均との交付金の差を是正するために新たな財政支援措置を講じることや、18年度から実施予定の政府の財政基盤強化策において沖縄戦などの特殊事情に配慮した制度設計を講ずるよう要請しました。
また、国の制度として「子ども医療費無料化制度」を創設することや、窓口での立て替え払いの必要のない「現物給付制度」を実施している自治体に対して国保の国庫補助を減額する「ペナルティ制度」を廃止することなども要請しました。(しんぶん赤旗 2016年11月22日)