「仲井真知事の承認(の印鑑)押し逃げを許すな!」―。沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に向け、防衛省沖縄防衛局が県に提出した埋め立て工事の変更申請を、仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事が退任4日前の12月5日に承認したことに、県民の怒りがいっせいに爆発しました。
知事公舎に詰め掛けた沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏は「なぜ審判の下った仲井真氏が承認するのか。理解不能だ」と怒ります。同「会」の城間勝事務局長は「駆け込み承認は民主主義に反する」と声を荒らげました。
仲井真知事が午後3時前に承認後、翁長新知事のもとで与党となる日本共産党など県議会会派は午後5時半、県庁に戻ってきた當銘(とうめ)健一郎県土木建築部長に激しく抗議。日本共産党の西銘純恵県議は「知事選は新基地ノーの県民意思を示したものだ。翁長新知事は承認の取り消し、撤回を検討している。埋め立て前提の承認は断じて許されない」と糾弾しました。
この日は午後0時50分、新崎盛暉沖縄大学名誉教授が代表世話人を務める「沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会」が県に対し、承認判断を新知事に託すよう要請。午後2時半過ぎには、那覇市の知事公舎に市民が続々と詰め掛け、抗議の声をあげました。市民と県警がもみ合いとなるなど、現場は一時騒然となりました。(しんぶん赤旗 2014年12月6日)