安倍内閣がすすめる「戦争する国づくり」の動きで、国会が緊迫しています。
自民党は11月5日、衆院国家安全保障特別委員会で審議中の国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案を6日に採決するよう提案。これに合わせて、国民の目、耳、口をふさぎ憲法の基本原則を覆す「秘密保護法案」を7日の衆院本会議で審議入りさせることも提起しました。
日本共産党の穀田恵二国対委員長は、「多くの国民が懸念を示し、各界・各層の反対運動が起きるなか、憲法の基本原理を逸脱する秘密保護法案の審議に断固として反対する」と表明しました。
日本版NSC法案は、10月28日に委員会審議入りしたばかり。米国と海外で戦争するための「司令塔」をつくるという重大法案。わずかの審議でも、NSCの所管が「国防」だけでなく、エネルギーや外交交渉など「安全保障にかかわる事項」を幅広く所管するという問題点も浮上。米国による日本への盗聴疑惑の真偽確認さえ行っていないなか、「情報共有」態勢ばかり先行させようとしています。
衆院国家安保特委の理事会では、日本共産党の赤嶺政賢議員が「審議を通じて問題点がたくさん出てきている。総理出席の質疑を行った後も審議を続けるべきだ。採決には反対だ」と主張しました。
他党は生活の党が質疑の続行を主張。しかし、民主党は修正案の協議中だとしながら採決を了承。維新、みんな両党も与党の採決日程に賛成するありさまです。
また、参院議運委理事会では同日、自民党がNSCと「秘密保護」両法案を審議するための特別委員会設置を提案。日本共産党の仁比聡平議員が「二つの法案を何が何でも強行するという態度だ。設置には断固反対だ」と表明、理事会で引き続き協議することになりました。
与党側が採決を急ぐ背景には、会期が12月6日までと短いなか、首相肝いりの両法案をなんとしても今国会中に成立させようという思惑があります。しかし、「秘密保護法案」をめぐっては急速に反対の世論が広がっており、国会の暴走に厳しい目を向けています。(しんぶん赤旗 2013年11月6日)