審議中の「共通番号制度(マイナンバー)」法案で、政府は行政手続きが簡素化できるといいながら、「現時点で個別にお示しすることは困難である」と具体的手続きを示せないことが、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員への政府答弁書(12日に閣議決定)で明らかになりました。
質問主意書で赤嶺氏は、健康保険の扶養手続きを例に質問。
健康保険組合と市町村では、続柄などの住民票情報をやりとりすれば住民票の提出が不要になるとしていますが、加入者が世帯主でなかったり結婚によって扶養になる場合は戸籍謄本が必要となってきます。
赤嶺氏は「これでは役所で回る窓口が減る程度。制度導入のメリットとして、申請書類の簡素化、給付間の併給調整を掲げるなら、検証を可能とする説明や実績を明らかにすべき」だと指摘。法案で、個人情報の照会ができる115の情報紹介者ごとに申請書類の簡素化ができるものや添付書類が不要になる事務手続き、併給調整の対象となる給付手続きなどを明らかにするよう求めていました。
これに対し、答弁書はいずれも「現時点で個別にお示しすることは困難である」と述べ、欠陥法案を自認する形となりました。
論拠が破たん
赤嶺議員の話 政府は申請書類の簡素化と複数の給付の調整を番号法案の二大メリットとして説明してきましたが、法案審議の真っ最中にメリットを説明できないとは前代未聞の法案です。番号制度に国民へのメリットがないことがいよいよはっきりしました。(しんぶん赤旗 2013年4月16日)