政府は10月4日、沖縄県八重山採択地区の教科書採択について、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が提出した質問主意書に対する答弁書を閣議決定しました。
文部科学省は9月15日、沖縄県教育委員会に対し、育鵬社の公民教科書を選定した同採択地区協議会の答申に基づいて、石垣市、竹富町、与那国町各教育委員会の採択を一本化することを求める通知を出しています。
赤嶺氏は主意書で、協議会の答申が一連の不正常なプロセスを通じてまとめられたことを指摘。協議会規約の全面改定や調査員による推薦図書の順位付けの廃止が各教育委員会の合意を得ずに行われている点をただしたのに対し、政府は「同協議会の判断により行われたもの」と述べ、各教育委員会の合意を得たかどうかについての答弁を避けました。文科省は、育鵬社の公民教科書の不採択を決めた9月8日の全教育委員による協議が「ととのっていない」(中川正春文科相)とする根拠の一つに、同協議が各教育委員会の合意を得ていないことをあげており、整合性が問われます。
調査員による報告書で推薦図書にあげられていなかった同教科書が、約5分間の審議で選定された経緯を「教科書の内容についての十分な調査研究」(4月の文科省通知)と判断するかどうかについては、「具体的な内容・方法は採択地区内の各市町村教育委員会の合意により決定される」と判断を避けました。
調査員の任命が規約に定められた役員会による選任をへずに行われている点については、「沖縄県教育委員会からは、協議会の会長が役員会による選任をへずに任命し委嘱状を交付したと聞いている」と述べ、事実上認めました。(しんぶん赤旗 2011年10月5日)