政府は5月10日までに、福島第1原発事故をめぐる日米協議等に関する答弁書を閣議決定しました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が提出した質問主意書への答弁。
答弁書は、震災発生後、米国の原子力規制委員会から11人、エネルギー省から34人、保健福祉省から1人などの専門家が日本に派遣されたと回答。米軍関係では、海兵隊の化学、生物、放射能、核または高性能爆弾にかかわる検知・識別、除染、医療支援などの専門部隊(CBIRF)150人と海軍艦艇システムコマンドの原子力技術部長が派遣され、東京都や福島県において、意見交換、環境放射能のモニタリング等の活動を行っていることを明らかにしました。
農業用土壌のサンプル分析を米エネルギー省研究所に依頼したことについて、「わが国では、迅速な分析が困難である放射能物質にかかわる分析を依頼したもの」と事実を認め、分析結果が到着次第、関係県に提供するとしています。
答弁書は、日米協議の体制、具体的な開催状況と協議内容について「詳細を明らかにすることは相手国との関係等もあり差し控えたい」として答弁を避けました。原子力規制委員会の専門家が首相官邸に駐在していた事実について、「3月16日以降の数日間、官邸を訪れ、経済産業省原子力安全・保安院の専門家等と意見交換を行ったが、駐在したものではない」と答え、他の米国政府関係者が官邸に駐在していた事実も否定しました。(しんぶん赤旗 2011年5月11日)