国会質問

質問日:2018年 1月 30日  第196国会  予算委員会

米軍機事故野放しでいいのか 「航空法特例法」廃止を 赤嶺議員が政府に迫る 衆院予算委

 

 日本共産党の赤嶺政賢議員は30日の衆院予算委員会で、沖縄県で相次ぐ米軍機事故について政府を追及しました。赤嶺氏は、米軍機が小学校や保育園に部品を落としても日本側がまともに調査もせず、飛行が野放しにされている背景に、航空法の安全規定が米軍だけ特例法によって適用除外とされている問題があるとして、「航空法特例法を廃止して、米軍に航空法を適用すべきだ」と主張しました。

     航空法には、離着陸のときに管制の指示に従うことや通行秩序の維持のための規定が盛り込まれており、米軍にも適用されています。しかし、「飛行禁止区域」「最低安全高度」など安全のための規定(航空法第6章)は、米軍の特権を定めた日米地位協定に基づく特例法によって丸々、米軍には適用されていません。

 赤嶺氏は「(適用除外によって)米軍がどんな危険な低空飛行訓練をやっても、無灯火でヘリが飛び回っても、部品を落下させても、(日本政府は)米軍の責任を問えない」と指摘。安全を担保する航空法第6章を適用除外とする限り、米軍機による事故は繰り返され、日本側は原因究明も再発防止もできないとして、「特例法を撤廃すべきだ」と迫りました。

 石井啓一国交相は「米国との調整を要する」などと主張。赤嶺氏が日米地位協定の合意議事録では、日本国内で米軍が移動するときには「日本の法令が適用される」と書いてあるとして、「地位協定の下でも航空法第6章が適用できる」と指摘しました。

 赤嶺氏は、特例法が制定されたのは日本の空の主権が事実上、米軍に握られていた1952年のことだと指摘。それ以降一度も改正されていないとして、「(日本は)いまも事実上の占領状態が続いている」と批判しました。

 

沖縄 相次ぐ米軍機事故を追及

保育園に学校に部品落としても飛行野放し 特権なくし「空の主権」回復を

 一昨年のオスプレイ墜落以来、止まらない米軍機の事故に、沖縄県民は怒りとともに「いつか大事故が起こるのではないか」と不安を募らせています。日本共産党の赤嶺政賢議員は30日の衆院予算委員会で、「空の主権」を取り戻そうと、政府を追及しました。

 「せんせい、ヘリコプターとんだね、ガガガーンてなったね」。昨年12月7日、園舎の屋根に米軍ヘリの部品が落下した緑ケ丘保育園(沖縄県宜野湾市)。父母会がまとめた、上空の飛行停止を求める嘆願書には、事故当時の子どもたちの言葉が記されています。

 沖縄県が近くに設置している騒音測定器には2回の衝撃音、静止画カメラにはCH53Eヘリの画像が。それでも米軍は落下の事実を認めていません。

 それだけではありません。「基地に立ち入って調査したのか」との赤嶺氏の追及に対し、小野寺五典防衛相は「事実関係を照会した。米軍の調査結果を待ちたい」と繰り返すばかりで、原因究明のためヘリの整備士や搭乗員からの聞き取りを行っていないことを事実上、認めました。

 赤嶺氏はさらに、米軍が普天間第二小学校に落とした米軍ヘリの窓について、重要な証拠物件であるにもかかわらず、警察は翌日、米軍に返却した事実を明らかにした上で、「誰もまともに調査できていない」と批判。赤嶺氏は、その原因として、航空法特例法で、「日本側による事故調査の法的根拠そのものを放棄している」ことを指摘しました。

 航空法特例法とは、航空機の安全運航に関する規定(航空法第6章)などを米軍には適用しないことを決めた法律です。

 小学校の上空を低空で飛行し、部品を落下させる、民間地上空で物資のつり下げ訓練をやる―。米軍機がどんなに危険な飛行を行っても「違法」とはならない、日本の空の主権を奪ってしまうもの。しかも、日本が事実上、米軍の占領下におかれていた1952年から、一度も改正されていません。

 石井啓一国交相は、「国際法上、外国軍隊に接受国の法令は適用されない」とする国際民間航空条約(ICAO)を挙げて、特例法を正当化しました。

 これに対して赤嶺氏は、「米軍に国内法は適用されないというが、航空法の規定の中には離着陸時に管制の指示に従うなど、適用されているものもある」と指摘。「すでに適用されているものもあるのだから、安全に関わる規定を適用するのは当然ではないか」と反論しました。

 航空法特例法は、沖縄だけの問題ではありません。例えば、航空法ではすべての回転翼機はエンジンが停止しても安全に着陸できる「自動回転」(オートローテーション)機能を持つことを義務付けられています。しかし、米軍のMV22オスプレイは同機能がありません。それにもかかわらず、日本全土の空を自由に飛び回っています。

 日本の主権を奪い、米軍に特権を与える日米地位協定に伴う航空法特例法―。沖縄県議会も近く、本会議で同法撤廃を求める決議を可決する見通しです。

 航空法 航空機の航行の安全、航空機による運送事業などの秩序の確立を目的とする法律。第6章「航空機の運航」は、航空機の安全に関わる規定を盛り込んだもの。

 最低安全高度の確保 危険を生じる恐れのある区域の飛行禁止、夜間航行の際の灯火、飛行記録装置を装備する義務、などを規定している。

 

「何人死んだ」暴言 首相謝罪したが

飛行再開認めた責任重大

 「戦後、米軍機の事故でどれだけの犠牲を受けてきたと思っているのか。新たな犠牲者が出るまで、事故もトラブルも受け入れろということか」―。

 赤嶺氏は、日本共産党の志位和夫委員長の代表質問(25日、衆院本会議)で、松本文明内閣府副大臣(当時)が飛ばした「それで何人死んだんだ」のヤジを、「許しがたい発言だ」と強く抗議しました。

 赤嶺 言葉だけの対応を繰り返す政府の姿勢も、不安を増大させている。ヤジは安倍政権の本音ではないかと疑わざるをえない

 安倍晋三首相 内閣の一員(の発言)であり、沖縄の皆さん、国民の皆さんに深くおわびしたい

 安倍首相は終始原稿に目を落とし、顔を上げませんでした。

 赤嶺氏は、2016年12月のオスプレイ墜落・大破(名護市安部)、17年10月のCH53Eヘリ炎上・大破(東村高江)、同12月の同機の部品落下事故(宜野湾市の保育園、小学校)、今月以降、相次いでいるUH1Yヘリ、AH1Zヘリの不時着を挙げ「沖縄全域で、あらゆる機種が事故とトラブルを繰り返している」と強調しました。

 さらに、総選挙さなかに起きた高江でのCH53Eヘリ炎上・大破では、選挙期間中に原因究明のないまま飛行再開した米軍を、投票日4日後になって追認した安倍政権を批判。「そのCH53Eが、保育園と小学校への落下事故を起こした」として、「事故原因の解明もせずに米軍の『安全宣言』を後押ししてきた政府の責任が問われる。今後事故が起きない保障はないのに口先ばかりだ」と厳しく指摘しました。(しんぶん赤旗 2018年1月31日)

 

 

※写真のご提供元(上から)

①質問する赤嶺政賢議員(30日、衆院予算委)=しんぶん赤旗提供

②米軍機から落下した円筒(2017年12月7日、沖縄県宜野湾市)=神谷武宏緑ヶ丘保育園園長提供

③普天間第二小学校の運動場にあった米軍の落下物(2017年12月13日、沖縄県宜野湾市)=市提供

④不時着したAH1ヘリとその様子を見ている米兵(2018年1月24日、沖縄県渡名喜村)=しんぶん赤旗提供

⑤安倍首相らに質問する赤嶺政賢議員(左)(30日、衆院予算委)=しんぶん赤旗提供

質問の映像へのリンク

相次ぐ米軍機事故について質問

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