エッセイ

水曜随想  対米従属の政治を変える力

 

  民主党政権が誕生して初の臨時国会は4日まで延長された。初国会にもかかわらず、民主党は強行採決をくりかえし、自民党は審議拒否をつづけた。

 自公のほうは、「私たちの国会運営以上に乱暴だ。」と嘆いている。ことほどさように民主党の国会運営は乱暴だ。日本共産党は、混乱のなかでも質問権を放棄せず、国民がもっている疑問を新政権に正面からぶつけた。

 民主党政権が早くもいきづまったのが、安保・外交問題だ。「普天間基地」問題は、政権の命取りになる可能性もある。 

 そもそも、民主党の普天間基地の公約は、真剣に考えた結果だったかも疑わしい。

 作家の吉永みちこさんは、「民主党がどの程度の深さと強さとビジョンを持って県外、国外移設をマニフェストに盛り込んだのか?具体的に県外の候補地を考えていたのか、国外移設をアメリカに納得させうる案を構築していたのか?これらはマニフェストの質にかかわる部分だ。」と手厳しい。総選挙に利しようと沖縄県民の気持ちをもてあそぶだけのものであったとしたら許されることではない。

 そもそも岡田外務大臣は、総選挙直前の雑誌に、「沖縄の基地は戦後を問題についてひきずっているのです。沖縄にこれだけ基地があるのは、沖縄の悲惨な地上戦の結果です。アメリカの海兵隊から見れば、自分たちが血で勝ちとったものだという認識があり、容易に手放そうとはしないでしょう。しかし、サンフランシスコ平和条約が締結されてこれだけの時間がたち、もう「戦後」は終わっているわけです。そうした過去の遺産ではなく、いま、現在、沖縄にこれだけの米軍基地があることがノーマルなことかどうか、白紙から話し合うべきです。私はオバマ大統領ならそれが可能なのではないかと考えています」とのべていた。

 私は、「政権とったいまこそ、その可能性を追求すべきだ」とつめたが、外務大臣の姿勢は無力だった。対米従属の政治を変える力は国民的な世論と運動以外にない。これが民主党政権との論戦から引き出した私の結論だ。(しんぶん赤旗九州・沖縄面2009年12月1日)

 

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