国会質問

質問日:2019年 2月 5日  第198国会  予算委員会

新基地ただちに中止を 軟弱地盤工事 防衛相 規模・工期示せず

赤嶺氏“事実隠し強行は卑劣”

衆院予算委

 日本共産党の赤嶺政賢議員は5日の衆院予算委員会で、政府が沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う埋め立て区域での軟弱地盤の存在と地盤改良の必要性を認めた問題を取りあげ、「辺野古新基地は断念すべきだ」と要求しました。岩屋毅防衛相は、改良工事の規模や工期を隠したまま工事を強行する姿勢を示しました。

 赤嶺氏は、地盤改良の必要な面積が埋め立て面積全体の3分の1に及び、約6万本の杭(くい)を最大70メートルの深さまで打ち込む必要があるとの報道に言及。専門家も「聞いたことがない」と言うほど大規模な工事になると指摘し、事実関係をただしました。

 岩屋氏は、「推測の域を出ない」「安定性を確保して行うことが可能」と開き直る一方、その根拠については「(行政不服審査法に基づく)審査請求の最中で公開は控える」などと回答を拒否しました。

 赤嶺氏は、防衛省沖縄防衛局が2016年3月に軟弱地盤の存在を示した報告書を作成しながら、市民の開示請求や赤嶺氏の資料要求を無視して工事を強行してきた点も指摘。「事実を隠し、あたかも工事ができるかのように進めるのは卑劣だ」と批判。「ただちに中止し、県と協議すべきだ」と強調しました。

 赤嶺氏は、工事が13年かかるとの県の試算にふれ、「『一日も早い普天間基地の返還』などできない」と強調し、24日に沖縄全県で実施される、辺野古新基地建設の埋め立ての賛否を問う県民投票に向け工事の全体像を明らかにするよう要求。政府が県に約束した普天間基地の「運用停止」が2月で期限を迎えることにふれ「『普天間の危険性除去が原点』と言うのであれば、辺野古新基地建設と切り離し、直ちに運用を停止させるべきだ」と主張しました。

 

論戦ハイライト

衆院予算委 赤嶺氏の質問 軟弱地盤 3年前から認識

 5日の衆院予算委員会で、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、超軟弱地盤の存在を隠して工事を強行してきた政府の卑劣さをただした日本共産党の赤嶺政賢議員。地盤改良の必要性を認めてもなお工事を止めない政府に対し、「直ちに工事を中止し、沖縄県との協議に応じるべきだ」と迫りました。

 

 

沖縄・辺野古 米軍新基地建設

 「マヨネーズ状」といわれる辺野古北側海域の超軟弱地盤をめぐっては、安倍晋三首相が今国会に入って初めて存在を認め、日本共産党の志位和夫委員長の質問(1月31日、衆院本会議)に対し、地盤改良のために沖縄県に設計変更を申請する必要があると述べました。超軟弱地盤は、同県が埋め立て承認を撤回した根拠の一つです。

 赤嶺氏は、2016年3月の防衛省沖縄防衛局のボーリング調査報告書に軟弱地盤の存在が明記されており、「3年前から分かっていた」と迫りました。

 赤嶺 軟弱地盤の問題は新基地建設の根幹に関わる。政府はその存在を隠し続け、工事を強行した。

 岩屋毅防衛相 隠していたわけではない。追加調査をしていた。

 赤嶺 報告書には“当初想定されていなかった軟弱地盤がある”と書いてある。しかし、政府は軟弱地盤の存在さえ、ないかのように言い続けてきた。

 赤嶺氏は「軟弱地盤の存在を認めたのなら、工事を停止し、玉城デニー知事と協議するべきだ」と強調しました。

 軟弱地盤をめぐっては、政府が地盤改良で6万本の砂杭(すなぐい)を打ち込む検討をしていると報じられています。事実関係をただした赤嶺氏に対し、政府は答弁を避け続けました。

 赤嶺 160ヘクタールとされる埋め立て面積のうち、地盤改良が必要なのはどのくらいか。

 防衛相 検討中であり、詳細は答えられない。

 赤嶺 報道では埋め立て面積の3分の1に上るとされる。しかも、海面から70メートルの深さまで打ち込む必要があるとしている。

 防衛相 報道は推測の域を出ない。埋め立て承認撤回への不服審査請求の最中のため、詳細は公開しない。

 赤嶺氏は「6万本もの砂杭を打ち込めば、多様な生物が生息する辺野古の自然が破壊されるのは明らかだ」と指摘。「審査請求を盾に事実を隠し、新基地建設は完遂できるかのように装って工事を強行するのは卑劣だ」と厳しく抗議し、「県民投票までに改良工事の詳細を明らかにするべきだ」と求めました。

普天間撤去 無条件が当然

 赤嶺氏は「普天間基地の一日も早い全面返還を果たす」「沖縄の基地負担軽減に全力を尽くしている」と繰り返す安倍首相、岩屋防衛相のうそも告発。KC130空中給油機を宜野湾市の普天間基地から山口・岩国基地に移転したと誇った安倍首相に対し、「沖縄に戻って訓練している。日本政府が普天間基地の滑走路の補修を容認した結果、外来機の飛来が増加し、KC130は100回も飛来している」と指摘しました。

 赤嶺氏は「普天間基地の返還が進まないのは、移設条件をつけるからだ」と批判。沖縄の米軍基地問題の原点は、米軍がハーグ陸戦法規に違反し、県民が収容されている間に一方的に土地を接収して造ったことにあるとして、「国際法に違反して造られた基地は無条件で撤去するのが当然だ。辺野古新基地建設は直ちに断念し、普天間基地は無条件で撤去すべきだ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2019年2月6日)

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辺野古新基地建設はただちに中止を

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赤嶺議員のコメント

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 辺野古の新基地建設について質問をいたします。
 安倍総理は、昨年の臨時国会の所信表明演説で、沖縄の皆さんの心に寄り添う、このように述べました。しかし、ことしの施政方針演説ではこの言葉はありませんでした。総理、なぜですか。

○安倍内閣総理大臣 今後とも、沖縄の方々の気持ちに寄り添い、基地負担の軽減に全力を尽くすとの思いには何ら変わりありません。今回の施政方針演説では、「二十年以上に及ぶ沖縄県や市町村との対話の積み重ね」と申し上げ、そのような思いを込めたつもりでございます。
 普天間飛行場の全面返還のための移設については、これまで二十年以上に及び地元の皆様と対話を積み重ねてきており、翁長前知事の時代にも集中的に協議を行いました。また、玉城知事の御就任後も、官房副長官と副知事の間で話合いを重ねたところでございます。私も玉城知事とお目にかかり、今後ともさまざまな形で意見交換を行っていくことが大事であるとの認識では一致したところでございます。政府・沖縄県協議会や普天間飛行場負担軽減推進会議などの協議の場を通じて、対話を続けていく考えであります。
 住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない、これが大前提であり、政府と地元の皆様との共通認識であると思います。今後も、地元の皆様とさまざまな形で意見交換、意思疎通を図りながら、基地負担の軽減に全力で取り組んでまいります。

○赤嶺委員 今後も寄り添う、二十年間、市町村といろいろ話し合ってきたと言いますが、この二十年の間に、辺野古は絶対につくらせないという県民の決意が更に大きくなってきているわけですよね。
 私は、なぜ寄り添うという言葉を施政方針演説で使えなかったか。それは、気持ちは変わらないと言いますが、やはり使えないだろうな、このように思いましたよ。政府がやっていることが、余りにも県民の意思とかけ離れているからであります。
 九月に行われた県知事選挙では、辺野古新基地建設反対を掲げ、埋立承認撤回を支持した玉城デニーさんが、過去最多の得票で圧勝いたしました。玉城知事は、選挙の後、総理と会談し、民意を受けとめ、工事を中止するよう求めました。ところが、政府は、国民の権利救済を目的とした行政不服審査法を濫用して、沖縄県の埋立承認撤回の効力を停止させてしまったわけですね。そして、十二月、土砂の投入を強行したのであります。
 私は、土砂が投入されたその日、その現場におりましたけれども、これで県民の怒りは更に大きくなるだろうなということを直観いたしました。政府の強硬的な姿勢に対して、県民の怒りが広がったばかりではなくて、その後、全国からも大きな批判の声が上がっています。どのメディアの世論調査を見ても、土砂投入反対が多数であります。
 しかも、総理が施政方針演説を行ったその日に、政府は新たな護岸の建設まで始めたわけでありますから、県民の民意を踏みつけ、問答無用で工事を進める、強権姿勢そのものではありませんか。

○安倍内閣総理大臣 このいわば辺野古への移設は、普天間飛行場の全面返還のために行うわけでございます。
 かつ、今までの機能のうち、空中給油機については、十五機全て、これは山口県の岩国基地に移設、移転したところでございますし、緊急時の使用についても、これは沖縄以外に移っていくわけでございまして、そういう意味におきまして、我々も負担の軽減に今も全力を尽くしているところでございます。

○赤嶺委員 今の総理の答弁について後でもちょっと触れたいと思いますが、本会議の総理の答弁で、もう一つ、大変重大なことがありました。それは、辺野古の北側の海域に軟弱地盤があることを認めたことであります。地盤改良工事を行うため、県に設計変更申請を行う必要があると私たちの志位委員長にも述べられました。
 しかし、軟弱地盤が存在することは、これはもう三年前からわかっていたことであります。沖縄防衛局が二〇一六年三月にまとめたボーリング調査の報告書には、水深三十メートルの海底に厚さ四十メートルに及ぶ軟弱地盤が広がっていることが明記されています。専門家からは、マヨネーズ並みの軟弱地盤だと言われています。だから、沖縄県は、これでは構造物の安定性を保てないとして埋立承認を撤回したわけです。
 ところが、防衛省は、市民からの情報開示請求、また私も国会の質問や資料要求を通して何度もこのボーリング調査の資料を提出するように追及してまいりました、このことをずっと三年間隠し続けて、一方で工事は強行してきたわけですね。この問題は、基地建設の根幹にかかわる問題です。軟弱地盤の存在を明らかにしないまま、隠したまま、できるところから工事を始めていく。
 玉城知事は、軟弱地盤を国が認めたのであれば、即刻工事を中止して県との協議に応じるべきだ、このように指摘しております。私は当然だと思います。
 総理、直ちに、今の軟弱地盤が見つかった事態に着目して、工事を中止して沖縄県との協議に応じるべきだと思いますが、いかがですか。

○岩屋国務大臣 事業を進めておりますのは沖縄防衛局でございますので、私からお答えをさせていただきたいと思います。
 三年間、調査結果を隠していたわけではございません。最初のボーリング調査だけで判断をするのは早計だということで、追加のボーリング調査を行って、それが昨年末に中間報告、まだ中間報告です、一部室内検査をやっておりますので、それが出てきたわけでございます。
 その結果を私ども子細に検討した結果、確かに米軍キャンプ・シュワブの北側海域においては地盤改良工事が必要ではあるものの、一般的で施工実績が豊富な工法によれば、地盤改良工事を行うことで、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であるということを確認することができました。
 したがって、今、沖縄防衛局におきまして、この地盤改良に係る具体的な設計等の検討を行うこととしております。合理的な設計、施工が早期返還にも資することから、十分な検討を行っていきたいというふうに考えているところでございます。

○赤嶺委員 岩屋大臣は、安保委員会で三年前からこの資料を私が要求していたことを同じ部屋で聞いておりますから、十分わかっていると思います。
 やはり隠していたんですよ。隠していたことを、今ごろになって、いや、もうちょっと綿密な調査をやっていたなんて、そんなの説明になりませんよ。それで、一般的な工事のやり方で安定的にできますなんて、だったら全部資料を出してくださいよ。資料も出さないで、根拠も全く示さないで、今の事態をやり過ごそうとしている。
 今、辺野古の埋立面積は百六十ヘクタールだと政府は説明してまいりました。そのうち、地盤改良が必要な面積、これは一体どのくらいですか。

○岩屋国務大臣 最初の調査の、二十八年三月にまとめられた報告書におきましては、調査地点が限定されておりまして、したがって、その内容のみでは地盤の強度等を評価できる段階になかった、したがって追加のボーリング調査を行ったということでございますので、結果を隠していたということではないということを最初に申し上げておきたいと思います。
 それから、どのぐらいの地盤改良工事が必要かということについては、先ほど申し上げましたとおり、今般の中間報告の結果を踏まえて、今、沖縄防衛局において十分に検討を行っているところでございますので、この段階で、詳細についてお答えすることはまだできない段階でございます。

○赤嶺委員 また隠しているじゃないですか。これを隠しているというんですよ。
 最初のボーリング調査の報告書で、政府が委託した企業の報告書の中に、当初想定されていなかった軟弱な地盤があると書いてあるんですよ。当初想定されていなかったということは、皆さんが埋立承認申請を出したときには認識していなかった軟弱地盤があると。それだけで、翁長知事は、これは設計変更の申請をやるべきだ、このように求めていたわけですよ。それが、軟弱地盤さえないかのように言い続けてきた。
 今、ついに認めた。認めたら、じゃ、中身はどうだと言ったら、それは教えられないと言う。これを隠して、隠し通して、いや、その間、皆さんが明らかにするまでの間、工事をとめるならいいですよ。工事はとめないで、資料は出さないで、いや、できます、できますと言って、我々は、今の辺野古の浅瀬でやっても、大浦湾のあの北側の工事はいずれ頓挫する、なぜなら軟弱地盤があるからと言ってきたわけですよ。その証拠を全部明らかにして、県知事と、工事を停止して協議すべきではありませんか。
 報道ではいろいろ、大臣、出ているんですよ。
 地元紙で、地盤改良が必要な面積は五十七ヘクタールだと報じております。これは埋立面積全体の三分の一ですよ、地盤改良が。皆さんは、いやいや、C1地域だけだと思っていた、しかし、そこも軟弱地盤でないかもしれないかのように調査を追加すると言った。追加してみたら、更に大きくなった、多くなった。三分の一。
 今、地図を配付しておりますけれども、北側海域の大部分で改良を行わなければならないような図になっています。護岸部分だけではないんです。埋立部分も含めて、改良が必要な面が広がっています。
 ここに六万本の砂ぐいを打ち込む、このようにしています。直径二メートルになるくいを三メートル置きに打ち込んでいくということになります。しかも、砂ぐいは七十メートルの深さまで打ち込む必要がある、このように報じられています。極めて大規模です。工事が難航するのは必至です。専門家からは、七十メートルまでくいを打つ改良工事は聞いたことがない、このように声が上がっています。
 防衛大臣、こういう大規模な地盤改良工事を検討しているのではありませんか。

○岩屋国務大臣 その報道については、私も読ませていただいたというか承知はしておりますけれども、それはまだ推測の域を出ない報道であると思います。
 先ほども申し上げましたとおり、私ども、追加の子細なボーリング調査の結果を踏まえて、今、工法について検討を開始しているところでございますので、今先生が言われたようなことがこの段階で決まっているわけではございません。
 それと、この中間報告の結果につきましても、私ども、もともと、埋立てそのものを沖縄県さんが取り消された、このことを撤回されたいということで審査請求の最中でございますので、これは沖縄県さんも公開はされないと思いますし、私どもも公開はいたしませんが、当然のことながら、やがて設計の変更をさせていただいて沖縄県に申請をさせていただきますので、しかるべき時期にしっかりと説明をさせていただきたいと思っております。

○赤嶺委員 国交省にも出しているんですよね。一般的な工法で可能だというようなことで、六万本の砂ぐいの話もそれに出ていると思うんですよ。
 だから、国交省に出しているんだったら、国会にも出してくださいよ。

○岩屋国務大臣 先ほど申し上げたとおり、国交省において審査をしていただいている最中でございますので、今の公開は差し控えさせていただきたいと思います。

○赤嶺委員 今度は審査請求を盾に情報を明らかにしないという態度であります。
 いや、その間、工事をとめているんであれば、そういう要求にならないと思いますよ。事実を隠したまま、あたかもあの工事ができるかのように装いながら、設計変更申請したらできるかのように装いながら工事を進めていく、こういうやり方が卑劣なんですよ。これは改めるべきであります。
 あれだけの、六万本の砂ぐいを打つところからサンゴを移植すると言っています。大体、サンゴを移植する基準も防衛省が勝手に決めた基準ですが、それでもあの海域から七万四千群体移植すると言っておりますが、サンゴを移植して、六万本の砂ぐいを打ち込む。環境に照らしてどんな破壊が生じるか、これはもう明らかです。
 向こうの自然環境は、生物多様性が大きな特徴です。深い砂や泥の深場があり、サンゴ礁があり、サンゴ生態系と言われているまれに見る自然を持っています。奇跡の海、世界からも注目されている自然に、ああいう六万本、六万本にとどまるかどうかわかりませんが、あれだけの砂ぐいを打ち込んだら、これは環境に与える影響も大きい。
 しかも、それについて、私たちは改めて、専門家も環境アセスを要求しておりますが、これだけの環境に与える影響の大きさからいって、当然、防衛省は環境アセスを行うんですね。

○岩屋国務大臣 まず、先ほどの、工事をとめるべきではないかということでございますが、今私ども、南側といいますか、辺野古側から埋立ての事業を始めさせていただいているところでございますので、工事全体に大きな支障が今生じているわけではないというふうに思っております。
 それから、先生御指摘のサンゴを始めとする自然環境への配慮は極めて重要だというふうに思っておりまして、辺野古側のサンゴは既に移植を済ませております。それから、当然、大浦湾側につきましても、環境監視等委員会の指導助言を踏まえて、これは防衛省が勝手に決めたと今先生おっしゃいましたが、例えば那覇第二滑走路の工事の場合に当てはめた基準よりも厳しい基準をこのサンゴの移植については今回当てはめておりますので、大浦湾側についても、適切に、関係法令に基づき、環境監視等委員会の指導助言に基づいて、環境保全に最大限配慮して工事を進めてまいります。

○赤嶺委員 七万四千を決めた基準は、沖縄県は納得していないですよ。沖縄県が納得していないような基準を、より厳しい基準と自分たちで言って満足しているようじゃ、環境を守れないですよ、そういう姿勢では。
 専門家は、さらに、今度の軟弱地盤について、改良工事について、規模が重大であり、工期は数年間必要だ、このように指摘しています。
 玉城知事は昨年十一月、総理と話合いを持っておりますが、地盤改良だけで五年かかると言っています。その根拠は岩国を参考にしているようですが、岩国は地盤の深さも砂ぐいの本数も全然違いますから、五年でとどまるわけがないと思いますが、一応、知事は五年と言っています。そして、工事全体で今後十三年、このようにかかると試算を示しています。
 一日も早い普天間の返還、そのための辺野古の新基地建設、あと十三年待たせるんですか。これじゃ全然、問題の解決にならないじゃないですか。
 沖縄県では、県民投票も二月二十四日に行われます。それまでに県民に、今の軟弱地盤の問題点も含めて、そして本当にこれが、辺野古の新基地建設が辺野古側で順調に進んでいる、サンゴも移植したと言いますけれども、サンゴを移植したのは一本ですよ。総理、土砂を入れているあそこからは、サンゴは一本も移植していないですよ。全部、ほとんどは、大浦湾側に行っているんですよ。
 それで、今、一日も早い返還はもう無理だということで、やはり県民投票までには事態を、大体、公共工事をやるのに、設計図全体、何もつくらないで、工事の着手するところからだけ示していって、実施設計全体もつくっていない。これじゃ、皆さんがどんなに一日も早い普天間の返還と言っても信じないですよ。県民投票までに全部明らかにすべきだと思いますが、いかがですか。

○岩屋国務大臣 先ほどの、先生言われた十三年というのは、沖縄県側さんが試算をされた数字だと承知をしておりますが、私ども、それほどかかると思っておりません。
 しかし、そのためには、ぜひ地元の皆様の御理解、御協力をいただきたいというふうに思っておりますが、先ほど来総理もおっしゃっておられるように、一日も早い普天間基地の危険性の除去、全面返還を果たすために、ぜひ地元の皆様の御理解をいただきながら、一日も早くこの移設工事を終えるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

○赤嶺委員 普天間の返還問題が持ち上がった最大のきっかけが、一九九五年の少女暴行事件でした。一九九六年のSACO合意で、普天間を移設するという、その場合には五年から七年で普天間は返還すると、約束だったんですね。九六年のときに五年から七年で返還すると約束して、守られませんでした。
 さらに、二〇一三年に在沖米軍基地の統合計画、そのときは、二〇二二年又はその後までに返還すると言っていました。もう二〇二二年は無理です。無理なことは大臣自身が述べております。
 今度は、これまで普天間基地の五年以内の運用停止、これも、五年以内の運用停止は、ことしの、今月の、二月なんですね、五年前に約束したのは。これについても全く誠意ある態度を見せていない。
 普天間基地の一日も早い返還がこの問題の原点だと言いながら、もうこの原点と、辺野古は、完成の見通しはいつになるかわからない、軟弱地盤で予算が幾らかかるかわからない。大体、あの辺野古基地建設で予算規模がどのぐらいになるか、全く示し切れないわけでしょう。期限も示し切れないわけでしょう。
 なぜ、それが普天間基地の一日も早い返還につながる解決策として、辺野古が示されるんですか。今の事態は、それが全く根拠を失っているということじゃないですか。

○岩屋国務大臣 普天間基地の運用停止、五年以内に実現したいということは、安倍総理、当時の仲井真知事の間で共通の認識に立っていたということだと思いますが、残念ながら、その後、埋立ての許可も取り消されるというようなことになりまして、さまざま紆余曲折があった中で、なかなかそれが実現困難になりつつあるということは、おっしゃるとおりだというふうに思います。
 しかし、この間、政府は、空中給油機を移転したり、臨時の場合の滑走路を築城や新田原に決めたり、あるいはオスプレイの県外訓練というものを実行したり、さまざま負担の軽減に努力をしてきたつもりでございます。
 今後とも、沖縄の負担を軽減し、普天間飛行場の一日も早い運用停止と返還というものを沖縄県と一緒に考えられる、そういう環境をつくらせていただくために、全力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。

○赤嶺委員 負担軽減に努力してきたつもりと言いましたが、そのつもりがつもりでないんですよね。今、KC130を移転しているという話がありましたが、戻ってきて普天間で訓練していることは御存じですよね。タッチ・アンド・ゴーで、非常にその爆音で苦しんでいる。何でそんなふうになっているか。普天間の滑走路を補修したからですよ。その補修を日本政府が認めたんですよ。固定翼機がやってきて、外来機がやってきて騒音で大変だといって、宜野湾の市長が音を上げて防衛省に申入れしていますでしょう。全然改善していないですよ。何が負担の軽減ですか。
 きょうはまた、嘉手納基地にCV22オスプレイ、突然やってきて、しかも暫定使用するというわけでしょう。暫定使用ということは、今までの経験でいえば、だんだんそれを固定化していくということなんですよ。普天間は、騒音もうるさく、騒音も激しくなっている。苦情も大きくなっている。KC130も、一回しか来ていない年があったのに、今は百回ですよ。これが何の負担軽減ですか。
 やはり、何で普天間の移設が進まないか。移設条件をつけるからですよ。移設条件をつけるから、沖縄県民は納得しがたいものを持つわけですね。
 沖縄の米軍基地問題というのは、あの沖縄戦の最中に、収容所に県民が囲われていたときに勝手に米軍がつくり上げたものであります。ヘーグ陸戦条約でも、戦争に勝った国が敗戦国の国民の私有財産はこれを奪ってはならないというのがヘーグ陸戦条約で、国際法に違反してつくられたのが沖縄の米軍基地、その典型が普天間基地ですよ。その後は銃剣とブルドーザーですよ。
 移設条件をつけるから、さまざまな困難な問題にぶち当たって、普天間は固定化される、辺野古はいつまでたってもできない。政府は、予算の規模も、いつでき上がるか、その時期も言えない。中身を隠したままやっていこうとする。こういうやり方では絶対に普天間の基地の危険の解除はできない、辺野古は直ちに、改めて無条件に撤去すべきだということを強く申し上げたいと思います。
 そこで、総理、やはり辺野古の、普天間基地の撤去のためには……

○野田委員長 赤嶺さんに申し上げます。質問時間が過ぎております。

○赤嶺委員 そうですか。じゃ、それで終わります。

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参考資料

辺野古で地盤改良を検討する区域

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