国会質問

質問日:2017年 12月 16日  第195国会  

辺野古沿岸域における活断層の存在に関する質問主意書を提出

 

 赤嶺政賢衆院議員は12月6日、辺野古沿岸域に活断層が存在する可能性が指摘されている問題で、政府に質問主意書を提出しました。同月15日に提出された政府答弁書とあわせてご紹介します。

議事録

平成二十九年十二月六日提出
質問第九一号

辺野古沿岸域における活断層の存在の可能性に関する質問主意書

 政府が米軍普天間基地に代わる新たな基地の建設を進める辺野古沿岸域で、活断層が存在する可能性が指摘されている。琉球大学名誉教授の加藤祐三氏は、二〇〇〇年十月の第三回代替施設協議会に当時の防衛庁が提出した資料において、建設予定地周辺の海底に五十メートル以上沈下した落ち込みがある場所が記載され、また、陸上部には「辺野古断層」と「楚久断層」(以下、両断層という)という二つの断層が存在することが確認されていることから、これらが一体として活断層である可能性があるとの見解を示している。

 政府は十一月二十四日、糸数慶子参院議員の質問主意書に対し、「既存の文献によれば、辺野古沿岸域における活断層の存在を示す記載はないことから、御指摘の『辺野古断層』及び『楚久断層』の二本の断層に係るものも含め、辺野古沿岸域に活断層が存在するとは認識していない」と答弁しているが、その根拠は明確ではない。以下、質問する。

一 政府が判断の根拠とした「既存の文献」を具体的に明示されたい。
二 両断層は、一九九一年に発行された『新編・日本の活断層-分布図と資料』(活断層研究会編)によると、いずれも「活断層の疑いのあるリニアメント」に分類されている。また、二〇一一年に発行された『名護・やんばるの地質』(遅沢壮一、渡邊康志編著)においても、数十万年前かそれ以降に活動したことを意味する「活構造」に分類されている。こうした記述がある下で、両断層が活断層には該当しないと判断した根拠を示されたい。
三 両断層と米軍辺野古弾薬庫の位置関係と安全性に関する政府の認識を示されたい。
四 日米両政府は、十一月九日の日米合同委員会で、辺野古弾薬庫において弾薬庫四棟の整備(以下、弾薬庫の整備という)を行うことを承認しているが、具体的な事業内容と目的、保管する弾薬の種類、工期、予算額を明らかにするとともに、両断層周辺における弾薬庫の整備の安全性に関する認識を示されたい。
五 小野寺五典防衛大臣は、十二月五日の衆院安全保障委員会で、照屋寛徳議員の質問に対し、弾薬庫の整備について、二〇〇六年に日米両政府が合意した「再編実施のための日米のロードマップ」の「普天間飛行場代替施設をキャンプ・シュワブ区域に設置するため、キャンプ・シュワブの施設及び隣接する水域の再編成などの必要な調整が行われる」という内容に基づき実施しているとの答弁を行っているが、辺野古弾薬庫における施設整備を明示したものではない。二〇〇六年当時、弾薬庫の整備について日米間で合意し、対外的に説明していたことを示す資料があれば、明示されたい。
六 辺野古沿岸域における活断層の有無を判断するためには、政府がこれまでに実施したボーリング調査や音波探査の詳細データを開示することが不可欠である。辺野古新基地建設に関わり、政府がこれまでに契約したボーリング調査や音波探査の実施を含む事業の名称と具体的な事業内容、目的、工区、工期を示すとともに、調査結果を速やかに提出されたい。

右質問する。

 

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内閣衆質一九五第九一号
平成二十九年十二月十五日

衆議院議員赤嶺政賢君提出辺野古沿岸域における活断層の存在の可能性に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「既存の文献」としては、国立研究開発法人産業技術総合研究所がホームページで公開している「活断層データベース」、東京大学出版会が平成十四年五月に出版した「活断層詳細デジタルマップ」(中田高、今泉俊文編)等が挙げられるが、このうち、「活断層データベース」は、国内の活断層に関する文献が網羅的に集められたものとして作成されたものと承知している。

二について

 御指摘の「辺野古断層」及び「楚久断層」(以下「両断層」という。)について、御指摘の文献において御指摘の記述があることは承知しているが、参議院議員糸数慶子君提出辺野古新基地工事に関する質問に対する答弁書(平成二十九年十一月二十四日内閣参質一九五第一三号)五から七までについては、両断層に係るものも含め、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域(以下「辺野古沿岸域」という。)に活断層が存在するとは認識していない旨を述べたものであり、両断層そのものについて述べたものではない。
 なお、一についてでお答えした文献においては、両断層が活断層であることを示す記載はないと承知している。

三について

 両断層については、その位置が必ずしも正確に特定できるものではないため、お尋ねの両断層と辺野古弾薬庫の位置関係についてお示しすることは困難である。
 いずれにしても、一についてでお答えした文献においては、両断層が活断層であることを示す記載はされていないことから、お尋ねの安全性については、問題ないものと認識している。

四について

 お尋ねの「具体的な事業内容と目的」については、平成十八年五月一日の日米安全保障協議委員会の際に発表された「再編実施のための日米のロードマップ」において、「普天間飛行場代替施設をキャンプ・シュワブ区域に設置するため、キャンプ・シュワブの施設及び隣接する水域の再編成などの必要な調整が行われる」とされており、これに基づき、平成二十九年十一月九日の日米合同委員会において合意された辺野古弾薬庫における弾薬庫四棟の整備(以下「弾薬庫四棟の整備」という。)を実施するものである。
 お尋ねの「保管する弾薬の種類」については、米軍の運用に関することであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。
 お尋ねの「工期」については、約十三箇月を見込んでいる。
 お尋ねの「予算額」については、その意味するところが必ずしも明らかではないが、弾薬庫四棟の整備に係る工事の平成二十九年十二月十四日時点における契約額の総額は、約二十二億円である。
 お尋ねの「両断層周辺における弾薬庫の整備の安全性」については、三についてでお答えしたとおりである。

五について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、弾薬庫四棟の整備については、平成二十九年十二月五日の衆議院安全保障委員会で小野寺防衛大臣が「平成十八年五月の2プラス2で合意された再編の実施のための日米ロードマップの、「普天間飛行場代替施設をキャンプ・シュワブ区域に設置するため、キャンプ・シュワブの施設及び隣接する水域の再編成などの必要な調整が行われる。」という内容に基づき実施しており、今回の辺野古弾薬庫における既存の弾薬庫の建てかえについても、これらの工事の一環として実施するものであります。」とお答えしたとおりである。

六について

 お尋ねの「辺野古新基地建設に関わり、政府がこれまでに契約したボーリング調査や音波探査の実施を含む事業」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十五年十二月二十七日に公有水面の埋立てについて公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)第四十二条第一項の規定に基づく沖縄県知事の承認を受けた以降に辺野古沿岸域におけるボーリング調査又は音波探査を契約したものについて、業務名又は工事名ごとに①調査内容、②調査の目的及び③履行期間又は工期をお示しすると、次のとおりである。
 シュワブ(H25)地質調査(その2)
  ①ボーリング調査二十一本及び音波探査 ②護岸の設計のため ③平成二十六年五月三十一日から平成二十八年三月三十一日まで
 シュワブ(H26)地質調査
  ①ボーリング調査二本 ②護岸の設計のため ③平成二十七年一月七日から平成二十八年三月三十一日まで
 シュワブ(H26)ケーソン新設工事(2工区)
  ①ボーリング調査一本 ②護岸の設計のため ③平成二十七年二月二十六日から平成三十年三月三十一日まで
 シュワブ(H26)中仕切岸壁新設工事
  ①ボーリング調査七本 ②施工計画の策定のため ③平成二十七年二月十一日から平成三十年三月三十一日まで
 シュワブ(H26)ケーソン新設工事(1工区)
  ①ボーリング調査二十九本 ②施工計画の策定のため ③平成二十七年一月二十八日から平成三十年三月三十一日まで
 シュワブ(H29)土質調査(その1)
  ①ボーリング調査十一本 ②埋立区域及び護岸以外の構造物の設計のため ③平成二十九年十月十二日から平成三十年三月三十一日まで
 シュワブ(H26)土質調査(その2)
  ①ボーリング調査八本 ②埋立区域及び護岸以外の構造物の設計のため ③平成二十九年十月十二日から平成三十年三月三十一日まで
  また、これらのボーリング調査又は音波探査の結果については、そのデータが膨大となることに加え、現在実施中の業務もあること等から、お示しすることは困難である。

 

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